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オリンピックのあり方を、考え直すときがきた

ここでは、「オリンピックのあり方を、考え直すときがきた」 に関する記事を紹介しています。
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イスラエルがパレスチナ・ガザ自治区を包囲し、兵糧攻めとロケット弾攻撃を続けている事件は、相変わらず日本のメディアは伝えようとせず、その情報がほとんど入ってこない。
状況は深刻の度合いを深めており、憂慮すべき状態にある。緒方貞子JICA理事長が、その懸念を表明したのが10日のことだったが、日本政府はこれにたいして何ら反応を示していない。マスコミも沈黙したままだ。
14日にはアメリカ、イスラエル、パレスチナがエルサレムで3者協議を開き、2003年の和平案(ロードマップ)が定めた紛争停止への義務履行を検証しようとしている。しかしイスラエルはこのところ、あからさまなロードマップ違反を繰り返しており、この三者会議にも格下の国防省高官を出席させるなど、誠意ある対応を見せているとはいえない。
暴動
そして今度は、中国チベット自治区で暴動が起こり、中国軍が鎮圧に乗り出した。
その結果、当局側との衝突により少なくとも8人の犠牲者が出たとの発表があった。もっともこれは中国側が出したもので、チベット亡命政府の報道官は、少なくとも5人の少女をふくむ80人の遺体が確認され72人の負傷者が出ていることを明らかにしている。

パレスチナチベット
一見無関係に見えるかもしれないが、実は両者が抱えている問題には共通点が多い。
パレスチナとイスラエルとの関係は3月9日のエントリですでに述べた通り、ユダヤ人の故郷パレスチナを奪還しようとするイスラエルがそこに居住しているアラブ人たちを無差別に激しく攻撃している。

一方のチベットは、中国全土を支配下に置こうとする中国共産党政府と、仏教を信仰しダライ・ラマ14世を頭に民主主義的独立を願うチベット亡命政府が対立をしている。ご存じの通り、中国共産党は民主主義も宗教も認めない方針をとっており、彼らにとってダライ・ラマ以下仏教信仰で結束しているチベット民族が邪魔で仕方がない。
それでしばしば挑発を繰り返し、1988年にはチベット書記だった胡錦涛(現・国家主席)の指揮によって中国軍は聖都「ラサ」で大規模な殺戮と弾圧、そして宗教破壊を徹底的に行った。
ダライ・ラマ14世はすでに1959年、インドに亡命して臨時政府を樹立していたが、チベット自治区にはどんどん漢民族が入植し、いまや少数派となったチベット民族に圧力を加えている。これもイスラエル・パレスチナ問題と似ている点だ。
ダライ・ラマ14世
今回のチベットでの暴動も、中国政府は公表しないだろうが、挑発したのは中国側であり、チベット人たちが抵抗したのをいいことに軍を派遣して見せしめ的に犠牲者を出したのだろう。
ここにも大国の横暴と人権無視が行われているのだ。

それにしても、中国はあと半年後に北京オリンピックが控えているというのに、いかにも思慮の浅い行動を取ったものだ。あの胡錦涛が政権を握っている中国政府は「ダライ・ラマ14世の集団が暴動を策動した」と発表しているが、その説明はいかにも苦しい。武力で圧倒的な優位に立つ中国軍が、「自由」「民主」を願う人々に対して暴力をふるったことは明らかであり、それは決して許されるものではない。
この事件は世界中から非難されてしかるべきものだろうし、北京オリンピック開催にも影響を与えるのは必至だろう。

しかし、今回も日本政府の対応は、きわめて鈍い。
隣国で起きた暴動事件だというのに、なんのメッセージも発していない。
いったい何を考えているのだろう。
昨夜は、福田康夫が自民党幹部を集めて日銀総裁の後任人事のさしかえを協議したらしいが、世界の動きのなかで、日本がやっていることは本当に短視眼的というか、オタク的というか、なんだか溜息が出るようなことばかりだ。

毒入りギョーザ事件では図らずも中国に対する食の不安が露呈したが、中国という国はそれ以前から人権軽視が問題にされてきた国であり、その他にも環境問題、治安問題などさまざまな問題を指摘されている国だ。
こういう国で開かれるオリンピックに、日本はどこまでも馬鹿面下げて「平和の祭典」などと言って参加するつもりなのだろうか。
そしてメダルをいくつ取れるかと、そんなことばかりに国民を注目させようとしているのだろうか。

私は、必ずしもオリンピックをボイコットする必要はないと思う。
いたずらに中国を刺激しても得るところは少ないからだ。
しかし、この事態を見て何もしないというのは最低だ。
日本は少なくとも、中国政府に対する態度ははっきりさせてから、この大会に臨む必要があるのではないか。大事な食の安全を脅かされたうえ、人権を軽んじている国で、どうして黙って平和の祭典などと御祭騒ぎに興じることができようか。
日本は、毒入りギョーザの問題が解決するまではオリンピック参加を凍結すべきだし、今回のチベット問題をふくめ、人権問題について一定の回答を得るまではオリンピック参加を控えるべきだと、国際社会に立場を表明すべきではないか。
日本一国では、どうせ中国は相手にしないだろう。
しかし中国に対して懸念を抱いている国は多いのだ。それらの国に働きかけて、中国を動かすべきである。
そのうえで、オリンピックに参加するかどうかを判断すべきだ。

スポーツの大会を政治に利用すべきでないという意見は常に出てくるが、逆を言えばそれだけ、これまでのオリンピックはさまざまな政治の具として利用されてきたのだ。
今回だけ政治抜きでスポーツを楽しむというのは、無理というものだろう。

本音を言えば、私はオリンピックなど、もうどうでもいいと思っている。
世界中で紛争が絶えることがないのに、なにが平和の祭典かよ、と思う。
たとえその期間だけでも停戦させられるなら、少しでも意義があるというかもしれないが、もしそんなことが実現したとしても、戦争というものは、終結しないことには意義などないのだ。一時的に人殺しを止めたところで何になろうか。
アスリートたちには悪いが、彼らにはそれぞれの世界選手権で頑張ってもらうようにすればいい。
もうオリンピックが特別な大会であるという位置づけそのものを変えた方がいい。
そして、世界中から戦争や紛争がなくなったとき、あらためてオリンピックを再開させればいいのだ。

それでこそ、オリンピックが平和の祭典としての輝きを取り戻すことができるだろう。


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