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農政失敗からも見えてくる「自民党の限界」

ここでは、「農政失敗からも見えてくる「自民党の限界」」 に関する記事を紹介しています。
2月15日のエントリで、バター不足のことを書いた。

このことは菓子・製パン業界で昨年から深刻な状況となっており、業務用バターの不足はおそらくあと1年くらいは続くと見られる。

しかし昨日の朝日新聞夕刊では、バター不足が業務用だけでなく、家庭用にもおよびはじめていることが報じられている。
スーパーでの品切れおよび購入制限、学校給食のメニュー変更などの動きもあるようだ。

こうした深刻な状況を招いたのは何か。
新聞では、新興国の消費量が拡大したこと、飼料価格が値上がりしたこと、さらにオーストラリアの干ばつが重なってバターの国際価格が上昇、一部の食品メーカーが輸入から国産に切り替えたために国内の在庫が減ったことをあげている。

さらに、国内では原料の牛乳余りが続き、06年度から減産されたこと。そして牛乳が高く売れる飲料やチーズに優先的に回され、バターや脱脂粉乳に回される分が06年度で前年比7%減少、07年度にはさらに4%減った。そのために現在のバター不足現象が起きていると解説している。

これもすでに書いたことではあるが、今回のバター不足、その結果これから必然的に起きるだろう大幅な価格の上昇は、1にも2にも、日本の農政が見方を誤ったことに原因がある。

なぜならば、上に掲げた要因のうち、予測不能だったものは昨年のオーストラリアの干ばつくらいであり、その他のことは国際情勢を見極めておけば予測できたことだった。
さらに国内の牛乳余り現象を、安易な乳牛の殺処分という方法で調整したために、乳牛を増やすのに時間がかかり、その結果、生産量を回復させるのに時間がかかるようになったのだ。
つまり、農政は目先のことだけを見て1年先、2年先のことを見るのを怠ったために、このような事態が生じたということができる。

なぜ農政は、先を見ることができなかったのか。
目先の問題を見て対処するのは官僚の仕事であり、農水省の官僚たちは見事にその手腕を発揮して06年度に乳牛を殺処分する通達を畜産農家に出したのだろう。
しかし、このときもし農水省のリーダーである農水大臣がしっかりしていて、先を見越す能力を備えていれば、今日の事態は避けられたはずである。
なぜなら、リーダーとは常に先のことを考えて決断を下すのが、もっとも重要な役目だからだ。

現在の状況を招いたということは、2006年から現在に至る農水相は、リーダーとしての仕事をなさず、ほとんどを官僚に任せていたということだ。
2006年から現在までの農水相は誰が務めていたか。
小泉内閣当時の中川昭一(2005年10月~06年9月)
安倍内閣当時の松岡利勝(06年9月~07年5月 自殺)
安倍内閣 若林正俊(07年5月~6月 臨時)
安倍内閣 赤城徳彦(07年6月~8月 バンソウコウ大臣)
安倍内閣 若林正俊(07年8月 環境大臣兼任)
安倍改造内閣 遠藤武彦(07年8月27日~9月2日)
安倍改造内閣 甘利明(07年9月2日~3日)
安倍改造内閣・福田内閣 若林正俊(07年9月4日~現在)

なんとまあ、こうして見るとわずか2年半の間にこれだけ大臣の首がすげ変わっているのだ。
個々の大臣の資質はおいておくとしても、これではリーダーとして1年先のことを考えるヒマもなかったことだろう。明らかにリーダーとして失格だった男たちもふくまれているが、1%くらいは彼らに同情してもいいような気持ちになってしまう。

なるほど、これではバターが品不足になり値上がりするわけだ。

やはりこんな事態を引き起こした、いちばんの責任は首相にあるだろう。
大臣が不祥事を起こすたびに、首相の任命責任が問われてきたが、こうして見ても、安倍晋三という男がいかに人を見る目がなかったか。そして日本の政府がいかに農政を真面目に考えてこなかったかがわかる。

今、社会では原油の高騰に端を発してさまざまな品物の値上げが、次々と国民に襲いかかってきている。
それに対して政府は何ら手を打とうとしていない。
福田康夫は、多くの大臣を安倍内閣から引き継いで組閣をしたが、彼はリーダーとして何を見て自分の内閣を作ったのだろうか。農政の不始末ひとつを見ても、それが疑問だ。
そして福田康夫という男は、これから何をやろうとしているのだろうか。
福田康夫
海自が起こした殺人事件ではへこへこと被害者宅を訪れて人のいいところをアピールして見せたが、日銀総裁人事では、あきらかに人品が劣る武藤敏郎を野党から否定されて「困った、何が悪いのかわからない」とうろたえる。

とても1年先、2年先を見越して国を運営していこうとしている人間には思えない。
彼はいったい何をしようとしている総理大臣なのだろうか。

日本の農政の失敗を見ているうちに、私の心配はいやが上にも日本の国政の不安におよぶのである。
3月3日に行われた毎日新聞の内閣支持率調査では、不支持率51%。

私にはまだまだこの数字は低すぎると思えてならない。


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2008/04/16(水) | カナダde日本語