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航海長聴取を擁護する「産経新聞」の度胸

ここでは、「航海長聴取を擁護する「産経新聞」の度胸」 に関する記事を紹介しています。
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イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突した事故で、防衛省は海上保安庁の捜査前に「あたご」の当直士官だった航海長をへりで省内に呼びつけ、事情聴取を行っていた。その席には増田好平事務次官と斎藤隆統合幕僚長、吉川栄治海上幕僚長、そして石破茂防衛相が立ち会っていた。
この事情聴取は捜査を進める海上保安庁に無断で行われたものであり、今、このことがいちばん問題になっているはずだ。

ところが、27日22時に配信された産経新聞には「航海長聴取は問題なのか」という記事が載っていた。
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事情聴取を行ったことを)一部のメディアや政治家が問題視している。だが、組織、とりわけ軍事組織が、早い段階で状況把握することは鉄則である。今後、事故後の対応をめぐり、一方では「情報公開の遅れ」を批判されている防衛省・自衛隊が、いかなる初動態勢を整備すべきなのか、二律背反の宿題を突きつけられた格好だ。(野口裕之)
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この野口という記者は続けて書いている。
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医療事故でも、警察当局の捜査とは別に、病院側が担当の医師・看護師らに事情を聴く。隠蔽(いんぺい)するための「口封じ」を目的とした悪質な場合もあるだろうが、通常は組織としての対応・対策を決定するために行われる。例えば、新聞記者が交通事故を起こせば、新聞社のしかるべき幹部が、本人に状況を確認しようと努力するはずだ。
航海長への聴取が問題となることは、日本が「普通の国」でないことに起因する。実はこちらの方が格段に深刻だ。海上事故に関して、自衛隊には裁判権が与えられておらず、とりわけ民間との事故では事実上、海保に捜査権を委ねることが慣例化しているからだ。

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どうやら、産経新聞では記者がクルマで人をはねた場合、その人の安否を気遣い救急や警察に連絡するよりも、まず上司に伺いを立てる規則になっているらしい。
この記事では医療事故のケースを例に挙げているが、重大な医療ミスが起きたとき、まさに捜査の手が入る前に担当医師、看護師らが上司と相談した挙げ句、カルテの改竄などが行われていた事件がいくつもあった。
そのことを産経の野口という記者はどう見ているのだろうか。

今回の防衛省石破茂がとった行動は、紛れもなく事実を隠蔽するための口裏合わせに使われたのであり、だからこそ、航海長を呼び寄せるときに「怪我人を搬送するために付き添わせた。それがたまたま航海長だった」などと白々しいウソをついているのである。
舩戸健
そしてウソの段取りをした結果、罪もない漁民を海中に放り出したまま、当の事故を起こした責任者は一向に顔を現さず、一週間も経った昨日になってようやく謝罪会見を行った。
席上に現れた艦長の舩戸健は神妙な面持ちながらも、いかにも歯切れの悪い口調で「全責任は自分にある」と認めた。そして指揮官でありながら「あの海域で、漁船が多いことを認識していなかった」と信じられないようなことを認めた。
その顔つきは、艦上で絶対の権力を握る指揮官のものではなく、防衛省の庇護のなかからいやいや顔を出してきたボクちゃんのように情けなく、肝心なことについては「捜査中なので言えない」と言い通した。
これは、「事実を隠蔽するための口封じを目的とした事情聴取」があったためなのではないのか。
産経新聞では重大事故を起こした場合、上司が事後処理をする規則になっているのかもしれないが、社会では通用しない常識である。
もし、クルマで事故を起こしたなら、まず怪我人を手当てすることと事故現場を保存し、警察を呼んで現場検証に委ねるのが世間での常識だ。
防衛省産経新聞では、その常識は通用しないらしい。恐ろしいことである。
産経新聞の件の記事では、海上事故に対して自衛隊には裁判権が与えられておらず、民間との事故では海保に捜査権を委ねることが慣例化している。軍が裁判権を持たないことは国際的にも異例であり、そのことが情報錯綜の原因となり情報公開の遅れにつながったのだと結論している。

しかし、国際的な慣例はどうであれ、現在の法令下では捜査権が海保にある以上、自衛隊はそれにしたがわなければならず、それが制約であったとしても、そのなかで最善の努力をするのが筋だろう。
ここにきて防衛省の責任を転嫁し石破茂を擁護し、ボクちゃん艦長の舩戸健までも庇うかのようなスタンスを取る産経新聞とは何者なのだ。
防衛省には事実を改竄し隠蔽してきたという歴史がある。今、それが問題になっているのではないか。
そのことを棚に上げて、「日本が普通の国でない」ことが、航海長聴取問題の原因とは、よくもいったものだ。産経新聞は、ずいぶんいい度胸をしているじゃないか。

感心してしまうよ。呆れながらね。


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コメント
この記事へのコメント
こんばんは。
またお邪魔します。七鉄斎です。
まだ酒が残っているので、乱文乱筆の儀は御容赦を。

産経新聞は昔から「自民党広報誌」ですから無茶苦茶な論調は
止むを得ないとして…。
多くの方が防衛省を批判されていますが、小生は今回の件は
現代日本社会の縮図と考えています。
事前の口裏合わせや事実の隠蔽工作など、一般の企業(特に
大企業になるほど)でも、不祥事発生の度に大なり小なり
行われている事です。

自己の栄達と保身しか考えていない上層部。
組織という目に見えない力に唯々諾々と従うしかない下々。

それはまさに「悲しき現代日本社会そのもの」と小生は
感じるのですが、いかがでしょうか?
2008/02/29(金) 03:07 | URL | 錨七鉄斎 #m399y5vg[ 編集]
物事を見る角度は複数あってあたりまえですが、産経の記事はあまりにも焦点を逸らし、国民の関心を違う方向に導こうという意図がありありですね。問題は組織そのものにあるのは誰しもわかっていることで、それでもまず今必要なのは事件を起こした当事者たちを公の前に引きずり出して問いただすことと、石破のウソをとことんひっくりかえして引導を渡すことでしょう。要はプライオリティーの問題だと思います。
錨七鉄斎さんは、マクロ的に社会を俯瞰していらっしゃるようですが、私はむしろミクロ的に問題を洗い出し、ひとつひとつ解決していかなければ社会は変えられないと考えます。山頂から麓の荒れ模様を見て溜息をついていても、何ら事態は解決できません。
2008/02/29(金) 09:42 | URL | ooaminosora #-[ 編集]
こんばんは。七鉄斎です。
今日は終電帰りでしたがシラフです。
金曜日の終電は酔客だらけで閉口しました。

マクロとミクロですか…。確かにその通りかも知れませんが…。
ただ小生は、麓の荒れ模様を小石一つから綺麗にしようとしたら
、いつの間にか本筋から外れてしまう事もあるのではないか、
と考えるのです。
マクロ的視点を基準としてミクロを詰めていくべきだと思う
のです。単なる個人攻撃や吊るし上げに変質してはいけない、
という事です。(一部マスコミや野党が変質を始めていますが)
例えば石破の件であれば、奴が辞任したとしても今のままでは
又似たようなのが出てくるのが関の山。
問題の根本は何ら解決されないままです。
個人の責任は厳しく追及しつつ、組織・社会の問題点にも着目
すべき、という考え方です。
2008/03/01(土) 03:34 | URL | 錨七鉄斎 #m399y5vg[ 編集]
七鉄斎様
小石一つにこだわるあまり、事の本質からずれて行ってしまうということは、国会などを見ていても常に思うことですね。
たしかに今の政権が続く限りは、石破茂が辞任したとしてもまた変わり映えのない男が同じ席に着くだけでしょう。
だから、私は政権交代を望んでいるのですが。
おっしゃるとおり、個人の責任は厳しく追及しつつ、組織・社会の問題点にも着目すべき、という考え方には私も賛成です。
2008/03/01(土) 07:24 | URL | ooaminosora #-[ 編集]
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