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山崎正和が語る「300年に1度の危機」への入り口

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いささか情報は古くなるが、防備録として記しておきたいと思う。
2月9日の毎日新聞夕刊の特集ワイドで、劇作家の山崎正和が今回の「100年に1度」と言われている経済危機について言及している。

山崎はこの危機を100年に1度どころか、「300年に1度あるかないかの危機」の鳥羽口だと見なしている。
100年に1度というスケールは、言うまでもなく20世紀初頭に起きた世界大恐慌いらいの経済危機を表現するものだが、山崎はもっと遡って18世紀半ばに始まった産業革命から現代のグローバリゼーションに至る歴史の中で迎えようとしている大きな歴史の転換点としてこの経済危機を捉えている。

たしかに、化石燃料はいずれ枯渇することが分かっているのだし、原子力エネルギーもリスクがあまりに大きいために主要なエネルギーにはなり得ないことは明らかだ。だとすれば第三のエネルギーをすぐにも開発しなければならないところだが、今のところ、それは太陽、風力、波力などの自然エネルギーに求めることになるのか、あるいは水素エネルギーやバイオエタノールなどの化学的なエネルギーになるのか、分からない。いずれにせよ、われわれが新しいエネルギーを日常的に使えるようになるまでにはまだ相当な時間がかかるわけで、化石燃料から新エネルギーに替わるまでの間をいかに混乱なく通過できるかは、全世界にあたえられた課題だと言えるだろう。

さらに、産業革命いらい悪化することはあってもよくなることはなかった環境をいかにしてこれ以上破壊せずにすませるか。二酸化炭素排出による地球温暖化は、かならずしも定見がさだまっているとはいえないが、とりあえずはこの問題にも決着をつけて環境破壊を食い止めていかなければならないのが使命となっている。

もうひとつは食糧問題。
日本の食料自給率ひとつを見ても明らかだが、自国で消費する食糧をすべて自給できている国はごくわずかで、先進国ほど他国に頼って胃袋を満たしているのが実情だ。しかし今後、新興国での需要が増加していけば今のままでは食糧の需給バランスを保つことは難しくなる。この問題を解決するには言うまでもなく、自国での自給率を上げる努力をするしかない。つまりどの国も「地産地消」を余儀なくされる。だが、輸入に頼っている日本を見るかぎり、食料自給率を上げ、地産地消を実行に移すにはかなりの技術的努力と政治的努力が必要とされるだろう。
先進国は今後も技術を新興国に普及していく役目を負っているが、その在り方も「地産地消」の考え方に沿ったものでなければならないだろう。だが、これもまた国際間の合意なくしてはスムーズに行われるとは限らない。

そして人口増加に伴う国際間の格差の問題。
グローバリゼーションは労働力の流動化を生み出したが、それは同時に経済力の格差を生み出した。これは今、日本国内で起きている派遣労働者の問題を見ても分かることで、貧しい国の人々は経済成長している国へ安い賃金で労働力を提供する。しかしこのままの状態が続けば貧富の差が広がり、やがてはそれが差別と被差別の問題につながり、国際問題へと発展する可能性がある。
私は海外からの労働力移転には慎重であるべきだと考えているが、山崎正和もまたこの問題は相当の危険をはらんでいると説いている。

こうした問題をあげたうえで、山崎は、このままではたとえワークシェアリングしても失業率は上がり続け、生活レベルは1937(昭和12)年レベルまで落ち込むことを覚悟すべきだと唱えている。
昭和12年といえば、軍部が政治においても発言権を増し、盧溝橋事件から日中戦争へと突入した年である。さらにこの年、南京大虐殺があり、国内では贅沢は敵とされ、翌年には戦争遂行のために国家総動員法が制定されている。
国民生活は限りなく貧しく、節約を余儀なくされる一方で、この難局を一つの口実として全体主義が国全体を縛り始めていった年である。

山崎はファシズムに対する警戒には言及していないが、日本が戦争に突っ走り始めた時期に現在をなぞらえたのは偶然ではないだろう。危険の予兆が少しでも現れていないか、今を生きるわれわれとしては過去に学んで注意深く社会を見渡す必要がある。

山崎正和は、もはやグローバリズムは諦めた方がいいと断言している。とはいってもそれは金融と資源、労働のグローバリズムであり、情報と知恵のグローバリズムは重要だと訴えている。

「基礎科学などの知識に加え、教義の文化にとどまらず、例えば『人権民主主義』のような価値観の普遍化は続くでしょう。人とモノは地域化しても、情報と知恵がグローバル化すれば、大戦争は防げるはずです」

今の状況は100年に1度どころか、産業革命いらいの300年に1度の危機である。
私は、この山崎の見方に与したい。
新自由主義のために世界中の経済秩序、社会秩序が破壊されて、皆があえぎ苦しんでいる。しかし今はこの苦しみに耐えながら、やがて来るであろう次の産業革命を待ち、そのために備えて哲学を持ち文化を創造していかなければならない。
新しい時代を迎えるために政治を変え、社会を国民のために改めていかなければならない。

政局におどる麻生太郎はじめ、自民党の無様なまでの醜態にかかずりあっている暇などはないのである。

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関連タグ : 山崎正和, 経済危機, 産業革命,

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