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現代の「貧困」について考えていきたい

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昨日、埼玉と東京都内で連続して起きた元厚生次官らの殺傷事件は、その手口が似通っていることから同一人物による犯行の可能性が出ている。また、被害者とその家族が旧厚生省で年金行政に関わっていたことから「年金テロ」ではないかとも言われている。

捜査に進展が見られない現時点で、軽々に憶測するのは控えたい。しかし、もしこの事件が厚労省および社保庁による一連の不祥事や怠慢に原因があって起きたものであるならば、嫌でも6月に起きた秋葉原での無差別殺傷事件を思い起こさずにいられない。
年金記録の紛失や改竄など、数え上げたらきりがないほどの不始末を厚労省と社保庁の役人たちはやってきた。その結果、受け取るべき年金を受け取れなかったり、金額を不当に低くされてしまったりして不利益を被った人はどれほどの数になるのか想像もつかない。なかには年金を払っていたにもかかわらず記録を紛失されて無年金とされ、厚労省による確認はできたものの、金が支払われる前に亡くなってしまった老人もいるという。
厚労省と社保庁に対する恨みを持つ人間は、日本中にいるだろう。
年を取って仕事が出来なくなり、収入の道が途絶えたとき、頼りになるのは年金だけという人が、役人の不手際のために金を受け取れなかったなら、あるいは支払った額に対してわずかな金額しか受給されなかったなら、はたしてどんな思いを抱くだろうか。自分の生活を台無しにし、幸福や希望を奪ったに等しい役人たちに対して恨みを持つのは当然というべきだろう。

秋葉原事件の加藤智大は、派遣労働という不安定で差別を受けやすい、労働者として最下層に位置する自分に絶望し、希望を求めようにも求めようがない社会の冷たさに憤怒して凶行に走った。

もし、今回の事件も年金に関わる恨みが元にあるのであれば、それは年老いた加藤智大のような人物が罪を犯したのかもしれない。
どんな理由があるにせよ、人を殺傷するという行為が正当化されることは絶対にない。
しかし、そうした行為に人を向かわせる可能性をこの社会が持っているのもまた事実であり、今の社会をよりよく変えていかなければ今後もおぞましい犯罪が起きることは十分にあり得ると考えた方がいいだろう。

社会をよりよくするには何をすればいいのか。
それはまず第一に貧困の問題を解決することではないだろうか。
今日の毎日新聞の社説には、「高齢者の犯罪 刑務所が老人施設でよいか」という訴えが載せられている。これによると、昨年中の交通関係をのぞく一般刑法犯の検挙者は約36万6000人で、3年連続で減少した。しかしそのうちの約13%にあたる4万9000人ほどを65歳以上の高齢者がが占めた。この数は10年前の3.8倍で、20年前の約5倍にあたり、過去最多となっている。さらに刑務所に収容された高齢者も20年前の約6倍の1884人で最多記録を更新したという。

社説では、「高齢者人口もこの20年で倍増したが、高齢の検挙者や新規受刑者の増加率は人口増を大きくしのぐ。年代別に人口あたりの犯罪率をみると、各年代が前年を下回っているのに、70歳以上だけが上昇する特異な現象となっている。高齢者は分別があって体力が衰えるので犯罪率は低い、という従来の常識は覆された形だ」と続けている。

なぜ、このような現象が起きているかといえば、そこには「貧困」がある。高齢者の検挙容疑の多くは窃盗など比較的軽い犯罪で、その理由も生活に困窮したり空腹に耐えかねてといったものが多い。法務省が出した『犯罪白書』では、こうした事実を踏まえたうえで「高齢者の生活の安定を図り、孤立させないよう福祉を拡充し、地域と連携して社会全体で対策を講じる必要がある」と提言している。

年間2200億円もの社会保障費を削り続けている一方で、よくもまあこんなことが言えたものだと皮肉のひとつも言いたくなるが、法務省の提言はまったくの正論である。
今のままでは社会保障の網から漏れた高齢者たちが、必要な福祉を受ける代わりに刑務所に入って命をつなぐという悲惨な状況がどんどん広がっていく恐れがある。
格差と貧困が広がり、自分の力ではどう頑張っても這い上がることができない今の社会は湯浅誠が言う通り、まさに「すべり台社会」で、貧困の泥沼にはまったが最後、ネットカフェ難民になるか野宿者になるか、最後には自殺をするか犯罪を犯すしか選択肢がなくなってしまう。

海の向こうからは今も頻繁に自爆テロ事件が伝えられるが、自爆するテロリストの多くは貧困者だということが分かっている。家族を救うためにいくばくかの金をもらって自爆をするか、あるいは自爆することで来世での幸福を得ようとするか。いずれにしても貧困さえなければ悲惨な事件は起きずにすみ、犠牲者が生まれることもないのだ。
日本でも貧困が広く根深いものになっていくにつれ、人々は幸福感を忘れ、希望を失い、社会を不穏なものにしていくだろう。イラクで、アフガンで今日起きていることは明日の日本で起きていることかもしれない。

そうならないためには、貧困問題に真摯に取り組み、これを解決していく他ない。

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関連タグ : テロ, 貧困, 高齢者, 年金,

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