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韓国・中国は当然だろうが、日本人も魂消た田母神論文

ここでは、「韓国・中国は当然だろうが、日本人も魂消た田母神論文」 に関する記事を紹介しています。
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「日本が侵略国家だったとは濡れ衣だ」などと主張する論文を書いたことにより、航空自衛隊トップの田母神俊雄が更迭された。

タモガミなんて珍しい名字だなと、私は変なところに感心してしまったが、このいかれたオヤジは今年4月、航空自衛隊によるイラク活動を違憲とした名古屋高裁判決に対して「そんなの関係ねえ」と定例会見で発言した時点でクビにされるべきだった。トップとして軽率だという以前に、考え方の根本がねじ曲がっている。
そのねじ曲がり方が、やはり尋常ではなかったことが、今回あたらめて明らかになったというわけだ。

それにしても今回の出来事ではいろいろ驚かされた。
第一に、田母神俊雄の論文は「真の近現代史観」というテーマで募集されていた懸賞論文で最優秀賞を勝ち取った「作品」だったことで、しかもこの懸賞論文を募集していたのは耐震偽装問題で、セレブ社長が涙の謝罪会見をしたアパホテルが属するアパグループだった。
耐震偽装問題では営業停止処分を受けるなどして、相当な痛手を受けたであろうアパグループだが、これが第1回であるにせよ、総額500万円の懸賞を出し、審査委員に渡部昇一というトンデモ学者を迎えて右翼の論文を募集するなどという酔狂をやっている余裕がまだあったことにもう一つ驚いた。
ちなみに田母神が得た最優秀賞の賞金は300万円で、副賞は全国アパホテル巡りご招待券となっている。
大丈夫なのかね、アパホテル巡りなんかして地震にあった時は。
他人事ながら心配になる。

そしてなにより驚いたというか、いや~な気分になったのは、先の大戦を本気になっていまだに美化している人物が相当数いて、この手の懸賞論文に応募してくる手合いが大勢(応募総数は230以上だった)いるということだ。
この論文が公になったのも、もとはと言えば主催者のアパグループ代表・元谷外志雄が大得意になって防衛省の記者室に報道発表文を配って歩いたからだ。
「わが国は蒋介石により日中戦争に引き込まれた被害者である」と強調し、「穏健な植民地統治をした」「多くのアジア諸国が肯定的にわが国を評していることを認識しておく必要がある」、「わが国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬである」といった主張が問題になるかどうか、まともな神経の持ち主で客観的に歴史を学んだ人間ならば判断できそうなものだが、もちろん、元谷をはじめとするアパグループは、これを素晴らしいと信じているから賞を授けたのだし、報道に配って自社の宣伝にも使おうとした。
それが図らずも新聞種になって問題化し、最優秀賞受賞者が更迭されるという滑稽な事態になったわけだ。

私が学生時代、安酒場によく出入りしていた頃は、カウンターの席に昼間から酒を飲んでいるオヤジたちがいて、私が近くで飲んでいるとたまに声をかけてきた。そういうオヤジが何を言い出すかというと、まるで判を押したように「あの大東亜戦争は正しい戦争だった」というものだった。
彼らは言った。
「日本はアメリカに騙されて戦争をしたのだ」
「アメリカからアジアを守るために闘ったのだ」
そんなことはないでしょうなどと言おうものなら、彼らは血相を変えて食ってかかってきた。
「何を言ってる。多くの日本人があの聖戦で流した血を、何だと心得ているのだ、貴様は!」

今から思えば、まるで田母神論文の手本のような主張である。アメリカを蒋介石に直せば、そのまま田母神論文で、安酒場にくすぶっていたアル中オヤジたちは今なら最優秀賞を取れたことだろう。
私は田母神論文を読んでみたが、A4でわずか9枚という原稿はまるで高校生の作文並みで、これでよくも最優秀賞が獲れたものだとまたまた驚嘆した。文章が稚拙なうえに、肝心の主張もお粗末。論文というにはあまりにも一面的な見方をしているうえ、具体的な説明が不足している。

たとえば
「満州帝國は、成立当初の1932年1月には3千万人の人口であったが、毎年100万人以上も人口が増え続け、1945年の終戦時には5千万人に増加していたのである。 満州の人口は何故爆発的に増えたのか。それは 満州が豊かで治安が良かったからである。侵略といわれるような行為 が行われるところに人が集まるわけがない。」
というくだり。

単に治安がいいだけで人口が爆発的に増えるのか。毎年人口が増えたのは、大日本帝国が積極的に満州への入植事業を促進したことが欠かせないだろう。一般人の他に軍人・軍属も多く入植し、それらの人々は大勢の中国人を使って働かせ、満州を一大軍事拠点にしようとした。人口が増えるのは当然で、何も治安がいいから自然に人が集まったわけではあるまい。
もし本当に治安がいいために人口が増えたというのなら、当時の満州国での犯罪発生率がどれほどのもので、それはどこと比べて「よかった」のかを明確にしなければならないだろう。
細部をことごとく端折って書いたのでは、まるで説得力がない。これでは飲み屋にいたオヤジの方が、まともな説明ができるというものだぜ。

田母神の論文は論理の飛躍などという上等な代物でさえなく、ただの独りよがりの作文としか思えない。
「人種平等の世界が到来し国家間の問題も話し合いによって解決されるようになった。それは日露戦争、そして大東亜戦争を戦った日本の力によるものである。もし日本があの時大東亜戦争を戦わなければ、現在のような人種平等の世界が来るのがあと百年、2百年遅れていたかもしれない。」
これこそまさに軍部の暴走だ。
政府は空幕長を更迭するだけでなく、防衛相も更迭して当然といってもいい。

さらに、私が田母神のような右翼思想に触れるとたまらなく気持ち悪くなるのは、昼間から酔いつぶれているクズのようなオヤジたちと、田母神のような超エリートがほとんど同じ考えを自分の核として生きているという事実だ。

安酒場でくだを巻いている男たちならば、その言葉は単なる世迷い言として片付けられるが、田母神のように軍隊を率いる権力を持った人間が同じ言葉を吐くと、何とも不気味である。こういう考えを持った人間が自衛隊の中枢で指揮を執っていたかと思うとゾッとする。
たしかに個人の思想信条は自由が保障されなければならないが、間違った歴史観や戦争を美化する思想を持つことは許されないことである。ドイツでナチスを肯定するような論文を発表すれば罪になるのと同じことで、日本でも太平洋戦争を正当化したり美化したりすることは今後はっきりと法で禁じるべきだろう。
これは何も中国や韓国に気を遣ってやるべきだというのではない。人間がもつ良識を守るために必要だと思うのである。

私は右翼というものが嫌いである。
日本を美化して考えるのは一向に構わないが、彼らが美として考えるのは昔ながらの歴史と伝統に支えられた国の姿である。しかし、その昔ながらの歴史と伝統のなかで、特権階級だけでなく、国民すべてが平和で自由を満喫し、豊かに生活を送っていた時代などなかったのだ。常に一般庶民の上には支配階級が立ちはだかり、おのれの富と権力を守るために搾取と暴政を続けてきた。万民が自由で平等に暮らしていた時代などどこにあるというのだ。
右翼にはそのことが分かっていない。そして自分が見たいものだけを歴史の中に見出して陶酔し、その価値観を押しつけてくる。
その無神経さに虫酸が走る。

田母神俊雄のような馬鹿男が日本の中枢で権力を持ち、多くの国民が生活苦に喘いでいる。それは右翼の好きな戦前の日本と同じ社会構造ではないか。
まったく嫌になってくる。
今回の出来事に対して、中国・韓国が比較的冷静な態度を取ったことに、私は羞恥とともに敬意を表しておきたい。

■追記
時事通信によると、防衛相は3日、解任された田母神俊雄前航空幕僚長(60)を3日付で定年退職とする人事を発令した。空幕長の定年は62歳だが、通常の空将は60歳が定年。解任により、空将に降格したことにより定年がさかのぼって適用された形だ。同省は田母神俊雄の解任後、11月30日まで定年を延長し、問題となった論文に懲戒処分に当たる事実がなかったかを聴取する意向だった。しかし本人が応じなかったため、延長を打ち切り、定年を適用することにしたらしい。田母神にしてみれば、2年分の給与がふいになったわけだが、目出度く退職金も出るのだから文句はないだろう。それにしても田母神のような人物を任命した政府の責任は、今後追及されてしかるべきだろう。また、本人が聴取に応じないからといって簡単に諦めてしまう防衛省の体質も、大いに問題ありとすべきだと思う。

■補記
このエントリに対してウヨクらしき者から「お前こそ、頭の悪い極左だ」というコメントを数通いただいた。
建設的意見でないコメントは事前に削除することにしているが、私の書いたもの程度で「極左」呼ばわりするウヨクの思考回路が、私にはすでにしてキモイのである。

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コメント
この記事へのコメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/11/03(月) 19:51 | | #[ 編集]
あなたも極右呼ばわりしていたはずですが。バカとかいろいろ意見の違う人間の事を決めつけているようですが。自分の書いた事すら忘れてしまいましたか?
2009/04/02(木) 01:37 | URL | トム #-[ 編集]
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