このクソのような制度を、福田康夫は「私はほんとにいい制度だと思うんですけどね」と言っていたのをニュースで見たときにはのけぞりそうになった。こいつはいつも他人事のようにものを言うクセがあるけれど、本気で老人たちのことなどどうでもいいと思っているんじゃないだろうか。そんな危惧を持った。
しかし危惧どころか、福田は本気で多くの老人を絶望に追い込むつもりのようだ。

今日午前、国立成育医療センターを視察した福田は、記者団の質問に答えて「保険証がまだ(本人に)届いていない不手際がある。説明不足で混乱をしている。十分説明し、いささかの不安も与えないようにしなければいけないのに、そういうことをしていなかったのは本当にまずかったと反省している」と陳謝したが、その一方では臆面もなく「総合的に考え、こういう制度がいちばんいい」と再び言ってのけたのだ。
福田康夫が思っている、「後期高齢者医療制度」――言っておくけど、私はとても気恥ずかしくて「長寿医療制度」などとは呼べないよ――の「いいところ」とは、いったいどこにあるのだろうか。
そもそもこの制度を考え出したのは小泉純一郎で、高齢化社会による保険医療費の財源逼迫に対し、これを節約するために考え出された悪法だ。それは誰もが思っていることだろう。
しかし福田は「いい制度だ」と強調する。
このズレはどこから生じるものなのだろうか。
yahoo知恵袋には「長寿医療制度は国民にとって、どんなメリットがありますか?」という素朴な質問が乗っている。
それに対する答えを見ていくと、ざっと次の通りだ。
1.平成の姥捨て山。高齢者の年金から、確実に医療費を差し引くことができること。このような制度のメリットは全くない、国・厚生労働省・国会に対する不信感を醸成しているだけ。
2.ずる賢い人と、大企業社員の管理職と、中小企業経営者のみが儲かる社会。今月の年金支給日から、五月連休明けまで、自殺や犯罪行為が増加するでしょう。
3.あるとすれば老人をいじめて早死に促進、医療費削減すること。
4.要するに医療が高度化して医療が高額になり、このままでは破綻してしまう恐れがあるから新制度に切り替えただけ。
適当に要約させてもらったが、つまるところ、少なくとも国民にとって「いいところ」は何もないというのが答えになっている。
新聞「赤旗」はさらに細かく詳しく、この制度のよくない点を解説している。それによると、
1.これまで保険料を払ってこなかった被扶養者もふくめて年金額が月1万5000円以上の75歳以上の人はすべて保険料徴収の対象になる。その徴収法は、年金から有無を言わさず天引きされる。
2.徴収される保険料は条例により都道府県によって異なるが、政府の試算では全国平均で月6000円になる。介護保険料(全国平均4090円)とあわせると毎月1万円以上が天引きされることになる。
3.これまで高齢者は、障害者や被爆者と同じように保険料を滞納しても保険証を取り上げられることはなかったが、今度の制度では保険証が取り上げられ、短期保険証・資格証明書が発行される。
4.保険料は2年ごとに改定されるが、後期高齢者の数が増えると自動的に保険料も引き上げられる仕組みになっている。
5.窓口負担は原則1割、現役並み所得者3割と変わらない。しかし、後期高齢者とそれ以外の世代で病院・診療所に支払われる診療報酬を別立てにし、医療格差をつけようとしている。
6.後期高齢者に対して手厚い医療を行う病院や診療所の経営が悪化するようになり、高齢者は粗悪な医療や病院追い出しを迫られることになる。
おい福田よ、「いいところ」など、どこにも見あたらないじゃないか。なにが「いい制度」なんだよ。ちゃんと説明してみろよ。
「後期高齢者医療制度」「メリット」でググってみても、「メリットなし」というのばかり出てくるぞ。
行政側サイトには「今後も1割負担のままですみます」「医療制度が安定し、今後も安心して利用できる」という言葉が出てくるけれど、医療の格差が生じた挙げ句、支払う額は同じ1割でも、診療の内容はスカスカになるのでは意味がないじゃないか。
福田は「これまで説明不足だった」と反省しているが、いくら反省したところで、どこから見ても悪法でしかないこの制度からメリットを見いだすことは難しい。
やっぱり小泉が残した負の遺産は、早いところ廃止すべきだよ。
国民みんながそう思ってるよ。
老人の自殺者が増え、今年から年間自殺者が4万人を超えるなんていうことにならないうちに、野党は、共産党もふくめて制度廃止に向け、共闘していくべきだ。
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