上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
酒好き、映画好き、本好き、落語好き、バイク好き、そして鬱。 ちょっとばかり辛い日もあるけれど、フンニャロメ~と生きてます。
◎心にとめおく言葉
●人は、自分が見たいと思うものしか見ようとしない――ユリウス・カエサル
●為政者たるものは憎まれることはあっても、軽蔑されることだけはあってはならない。(塩野七生)
●自分に当てはめられない基準を他人に当てはめるべきではない
――ノーム・チョムスキー
●さまざまな知識人、文化人、政党やメディアは一般の人々よりも右よりな立場を取る――ノーム・チョムスキー
●考えろ、考えろ、考えろ!――ジョン・マクレーン

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
少し前の情報になるが、19日付けの「ITpro」というネットマガジンで「本当に『いす』がなかった、キヤノン電子のオフィス」という記事が出て、一部で話題になった。

なぜ話題になったかと言えば、同社の社長である坂巻久は『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』(祥伝社)という本を書いており、その内容通りに社内から椅子を撤去することによって大きな収益改善効果を上げているとされたからだ。

なぜ、社内から椅子を撤去すれば収益改善に結びつくのか。
坂巻の著書によれば、会議室から椅子を撤去したことで会議への集中力が高まり、年間の会議時間が半減した。オフィスでも、立つことで社員同士のコミュニケーションが密になり、問題解決の精度やスピードが劇的に改善した。
さらに椅子代も不要、椅子をなくした分のスペースが節約されるなど、椅子をなくすことのメリットは計り知れない、というのである。
椅子がない職場

これだけ読めば、画期的な社長のアイデアで社内は活力にあふれているだろうといった想像がなんとなく芽生えてくる。

しかしネットの住人たちが驚き、話題にしたのは作業台の前に立って作業している社員たちの、なにか殺伐とした光景であった。
さらに驚かされたのは、廊下の一部に青く塗られたゾーンがあり、「5m3.6秒」と書いてあるところだ。

坂巻が言う。
「広い工場なので、移動に費やす時間がバカにならない。社員に歩くスピードを体得してもらうための仕掛け」
なのだそうだ。
この5mのゾーンの両端にはセンサーが設置されており、3.6秒以内でそこを通過しないと警報が鳴る仕組みになっている。
廊下

この記事を書いた記者は、こうした光景を目にしながらも、
「本当にいすのないオフィスを目の当たりにして,改めて“改革の達人”と呼ばれる酒巻社長の実行力に感銘を受けた。いすをなくすことに代表される酒巻社長のさまざまな改革により,キヤノン電子の業績は,いすをなくした2000年から2007年の8年間で,経常利益率が9.7ポイント改善した」
と評価し、
「急激な在庫調整を行った製造業各社にとって,在庫が適正水準に戻ったこれからが正念場。100年に一度の不況を乗り越えるために企業に求められているのは,「いすをなくしましょう」と言って本当になくしてしまえるような,実行力のあるリーダーなのだろう」
と結んでいる。

だが、ネットでの反応は違う。

「これなんて収容所」
「足腰の弱い奴はやってけんな」
「ほんと社畜って感じだな」
「どこの刑務所だよ」
「刑務所の方がまだましってレベル。もはや従業員はブロイラー」
「さすがキヤノン、社員の扱いは奴隷のようですね。刑務所でさえ椅子はあると思うぞ」
などと、批判的な感想が大半を占めた。

そりゃそうだ。
誰だって、こんな光景を見て、自分もそこで働いてみたいなどとは思わないだろう。さすがに休憩時間ぐらいはしゃがめるのだろうが、一日中立ちんぼで作業させられて、廊下を歩く速度まで測られる。
毎日毎日、そんなことの繰り返しをして給料がいくらなのか知らないが、人生が楽しいなどという言葉は出てきようがない。
まさにキヤノン電子というカイシャは、社員にとっては生活を維持していくために必要なところといえるだろう。

チャップリンは「モダン・タイムス」という作品で企業の効率化優先のために、従業員の人間性が犠牲になる様を描いて見せたが、今その世界が現実になっているのだ。

これはホワイトカラーにもいえることで、国家公務員一般労働組合の活動をしている人々によるブログ「すくらむ」が「このままでは仕事に殺される-過労死・過労自殺を強制する経団連会長・副会長出身企業13社」というエントリで、その実体をつまびらかにしている。

過労死は、今や「KAROSHI」として英語の辞書にも載っているというが、企業が成果主義を取り入れ、生産性と効率の向上を追求するようになった結果、従業員の間には賃金格差が生じ、さらに精神ストレスまでも強める結果になったという。

>成果主義の狙いの一つは、リストラによって人員削減がつづく環境のもとで、ホワイトカラー労働者を相互に競わせ、まえより少ない人員でもっと働かせて、人件費総額を抑制することにあった。その結果、最近は、ホワイトカラーのあいだでも、仕事が増えて給与が下がるという事態が生じている。<

>第一生命経済研究所主任研究員の松田茂樹氏によると、ホワイトカラーの男性正社員の労働時間は、2001年の1日平均 9.5時間から2005年の10.2時間に増え、10時間以上働く人も4割から6割に急増した。このように労働時間は増えたにもかかわらず、平均年収は 2001年の645万円から、2005年の635万円へと10万円下がった。時間当たり賃金は、2001年を100とすると、2005年は91で、1割近く減少したことになる。これらのことは結局、ホワイトカラーが絞り込まれていっそう搾り取られるようになったことを意味している。<

株主の立場から企業の社会的責任(CSR)を求めて活動している「NPO法人株主オンブズマン」は、日本経団連の会長・副会長出身企業16社の労務コンプライアンスの現状を把握するために所轄の労働局に対して時間外・休日労働協定(36協定)に関する情報公開請求を行った。
「36協定」というのは労働基準法第36条に基づく、時間外・休日労働協定のことで、使用者は労働者の過半数を代表する労働組合ないし従業員組織と協定を結び、労働基準監督署に届け出れば、労基法の定めを超えて時間外および休日に何時間労働をさせても罰せられないものとしている。
力関係から見れば、これはずいぶん使用者側に都合のいい協定のように思える。
そして実際、厚労省は「36協定」における労働時間の延長の限度を、1週15時間、2週27時間、4週43時間、1カ月45時間、2カ月81時間、3カ月120時間、1年360時間としているものの、法的拘束力はなく、この限度を遙かに超える時間外・休日労働を可能にする「特別延長時間」を設けている企業が大多数だという。
これ、橋下徹流に言えば企業がやっていることはぼったくりバーと同じ、ということである。

そしてこの情報開示の結果、明らかになったのは、日本経団連の会長・副会長企業の36協定は、三菱商事・全日空空輸・第一生命の3社を除いてすべて過労死ラインを超える36協定を結んでいることだった。

会長企業のキヤノンの場合、最大延長時間は月90時間、年1080時間。
同社の別の事業所では最大で月80時間、年700時間働かせることができる協定を結んでいるが、その場合の1日の延長可能な時間は15時間。
ということは、1日9時間の拘束時間を15時間延長し、24時間働かせることもできるわけだ。
同じように、パナソニックでも1ヶ月に延長できる最大時間は100時間だが、1日に延長できる最大時間は13時間45分。
日立製作所も一日延長できる最大時間が13時間となっている。

これでは過労死や過労自殺が起きるのも当たり前だ。

「すくらむ」では最後に次のように書いている。

経団連はCSRに対する取り組みのなかで、ILOが唱える「ディーセント・ワーク」(まともな働き方、人間らしい労働)の実現を言葉としては受け入れている。しかし、実際には会長・副会長企業の大多数は、付表の36協定の概要に明らかなように、過労死・過労自殺を招く長時間残業の削減にはきわめて消極的である。<

末端の工場では従業員たちが歩く速度まで規制され、立ったまま働かされ、管理職は設定された目標を実行するために身を削って1日中働き続ける。
もはや労働に喜びや達成の喜びをみつけるのは夢物語の世界となっている。
職場は人間交流の場であり、人間成長の場である、というのも幻想に等しい。

あるのは効率と成果。いかに無駄をなくして収益を増やすか。

大不況に見舞われているときに、仕事にありつくことさえ難しくなっている現在だが、その仕事の現場が人間性のかけらもない、ただの「工場」になってしまっているのが恐ろしい。
このままでは企業だけが肥大化し、幸福を得るのはトップだけということになってしまう。
国民生活を豊かなものにするためには、政治を正すだけでなく、企業にもその社会的責任を重く考えさせるようにしていかなければならない。

スポンサーサイト

関連タグ : 経団連, キヤノン, 過労死,

昨年秋以降、大きな社会問題になっている派遣切りは、景気がますます悪化していく中で一向に減る兆しがない。
昨日は大量の内定取り消しで問題となった日本綜合地所が会社更生法の適用を申請し、とうとう正社員たちの生活まで危機にさらされることになってしまった。

企業はどこも赤字、業績の下方修正ばかりで、景気がいいのは東京ディズニーランドを抱えるオリエンタルランドとゲーム業界をリードする任天堂くらいになってしまった。
職を失い、住む家さえ無くしている人が大量に出ている一方で、巨大遊園地とゲームという、生活にとっては重要度がグッと下がる業種が大儲けを出しているというのは皮肉なことである。

企業の儲けと言えば、派遣切りが問題になり始めた頃、トヨタやキヤノンなど、昨年前半までは空前の黒字を出していた企業が大量に抱えている内部留保が取り上げられ、話題になった。
今も変わらず非正規の首切りは続いているというのに、内部留保を雇用確保に利用してはどうかという話はその後、とんと聞かれなくなってしまったのはなぜなのだろう。

今日の毎日新聞朝刊には、「企業の内部留保 雇用確保に使えないの?」という質問に答えるコラムが載っている。
この記事では「なるほドリ」という質問者が読者に替わって専門畑の記者に質問をするという形をとっている。
そこでまず、内部留保とは、という説明から入り、要するにそれは企業活動により企業が内部に貯め込んだ金だということで、トヨタ自動車は昨年9月末で約12兆6000億円、ホンダは同12月末で4兆700億円、キヤノンも同時期で2兆6000億円という巨額の内部留保があることを明らかにしている。

そんな数字を聞かされれば、当然ながら質問は「そんなに金があるのなら派遣切りなどせず、雇用維持に利用できないのか」ということになる。
しかし、毎日の経済記者は次のように答えるのだ。

「ただ、内部留保は現金ではなく、多くが工場の土地や建物、機械設備などに再投資されているので、使うにはこれらを売却して現金化しなければなりません。日本経団連は『結果的に工場閉鎖につながり、雇用をさらに悪化させる』と説明しています。また、内部留保の一部である利益剰余金は株主の資本なので取り崩すには株主公開の決議も原則必要になり、現実的には内部留保をすぐに活用するのは難しい面もあります」

しかし、毎日の記者には悪いが、この答えでは派遣切りされた人々は到底納得できないのではないか。
経団連の、内部留保を雇用に使えば工場閉鎖につながるなどというのはたわごともいいところで、これまでさんざんアウトソーシングと称して自社の設備拡大は抑えて下請けに任せてきた。トヨタのカンバン方式などはその最たるものだっただろう。
要するに内部留保を現金化して雇用に回すことができないという企業の本心は、内部留保はさらなる儲けを生むために資金運用に使うためにあるもので、そうやって設けた金は経営者と株主で山分けすることになっているから雇用になど回す分はないということなのだ。

これまで景気がいいときには散々人をこき使い、過労死するほど働かせて利益を最大限搾り取ってきた資本は、景気が悪くなればなったでそれまで貯め込んだ金を使い回して自分たちの取り分だけは確保しようとしている。

それだけのことではないか。

トヨタやキヤノンは、はたして景気がよかったときには利益を従業員とともに分け合ってきたのか?
利益の再配分も満足にしてこなかったのに、景気が悪いとなれば都合のいいことを言って金に固執する企業を毎日新聞をはじめとするマスコミはなぜもっと叩かないのか。
もちろんそれは、大マスコミもトヨタやキヤノンと同じ体質を持っているからであり、派遣切りされるような人間に期待を持たせるような記事を書くわけにはいかないのだろう。

経済危機が深刻になるほどに、さすがのマスコミもこれまでの市場原理主義を批判する側にまわりはじめているが、いわゆる「勝ち組」として新自由主義を謳歌してきた者たちが書く批判はどこか腰が引けていて痛々しささえ感じさせる。

内部留保はどうして雇用確保に回せないのかなどと、物わかりのいい顔を見せながら結局それは難しいなどと経団連の肩を持つような記事を書くのでなく、毎日もふくめマスコミはどれも、まず己がこれまで持ち上げてきた市場原理主義的姿勢を反省し、自己批判する記事を載せるべきだろう。そうしないことにはいつまでたっても煮え切らない、及び腰の記事を書くか、恥知らずなダブルスタンダードを続けることになる。
もはやその痛々しさは読者の広く知るところとなっているのだから、マスコミは一刻も早く自己批判し、その上で派遣切りされた人々のための記事を書くべきである。

そうでなければ説得力のある記事など、書けるわけがないのだ。

関連タグ : 内部留保, 経団連, マスコミ,

1日、首相の麻生太郎は、首相官邸に日本経団連御手洗冨士夫会長ら経済界首脳を呼び、賃金引き上げや雇用の安定を要請したという。

北海道新聞の記事によると、「景気が後退局面入りし、雇用や収入の先行きに不安が広がっていることから、年明けに本格化する春闘交渉を控え、異例の賃上げ要請に踏み切った」とのこと。
雇用と賃金は生活に直結しており、防衛しないといけない。賃上げに努力してもらいたい」さらに採用内定取り消しの増加を踏まえて、「できるだけ避けてもらいたい」と述べた。

これに対し御手洗は「雇用安定に経済界としても努力する」と応じ、内定取り消しについても「(回避を)会員企業に呼びかける」と語ったが、賃上げ要請に対しては「(2009年春闘の)経済界のスタンスを検討の最中」と述べるに留まった。
さらに日本商工会議所の岡村正会頭は「多くの中小企業では賃金を引き上げる余力はほとんどない」と厳しい現状認識を首相に伝えた。

麻生太郎は景気対策が優先といいながら二次補正予算の提出を先送りし、その一方で経団連の御手洗らを呼びつけて賃上げ要請をしたというわけだ。
しかし御手洗冨士夫はかねてより消費税増税を主張して国民生活をさらに圧迫することを考えている張本人であり、こんな男にただ賃上げせよと言ったところで、円高と金融危機で減益している企業には余力がないというのが本音だろう。
麻生が御手洗たちを呼びつけて行った要請は、明らかに国民向けのパフォーマンスと見るべきだろう。

ほんとうに麻生が「雇用や収入の先行きに不安が広がっている」と感じており、その対策を急ぐと考えているのなら、雇用創出や最低賃金引き上げの法案を作るはずだ。御手洗らに言うとすれば、いたずらに消費税増税を叫ぶなとたしなめるべきだろう。そのうえで、自ら言った3年後の消費税増税を取り消し、消費税減税をして国民の消費マインドをもり立てるべきだろう。
御手洗冨士夫は頭から湯気を上げて反対するだろうが、財源はもちろん大企業からの税金であり、御手洗や麻生ら富裕層から徴収する税金を引き上げることで生まれる金を充てることだ。
当然、こんなことは麻生自身の口からは百年待っても出てくるはずがないのだから、この連中が引き出す答えとしては「雇用安定に経済界としても努力する」という御手洗の言葉に集約されるのだろう。

それにしても麻生は、せっかく御手洗たち財界首脳を集めておきながら、どうして3万人にもなると言われる非正規雇用の雇い止め問題に触れなかったのだろうか。御手洗自身が会長を務めているキヤノンでも多くの非正規雇用者が契約を打ち切られ、失業するという自体を迎えているのに、麻生の言った「雇用や収入の先行きに不安が広がっている」というセリフはいかにも生ぬるい。

御手洗冨士夫は言うまでもなく自民党のスポンサーである経団連の会長であり、その権力を背景に2011年度までに消費税を2%程度、その後さらに3%程度上げることを主張した「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)の提唱者である。そして消費税増税の一方で、法人税は2015年までに10%引き下げるべきだとも提唱している、国民は犠牲にして企業だけが肥え太ればいいという考えの持ち主である。前会長の奥田碩同様、自民党を操り、協同して日本の社会をここまで破壊し、国民を苦しめてきた人物に他ならない。

麻生政権が長持ちしそうもないことは、今や誰が見ても明らかなところだが、肝心なのはこれまで暴走してきた財界の手綱を誰がどう引き締めるのか、だ。
民主党は自民党に替わる経済政策を参院に提出するが、ガソリン税廃止などではなく、消費税減税といった、より国民生活に直結した政策を打ち出すべきではないのか。そうして財界との対決姿勢をも明確にすべきではないのか。
これができない限り、政権が民主党に替わったところで、そう大きな期待はできないと思うのだが。

関連タグ : 麻生太郎, 経団連, 御手洗冨士夫, 雇用,

実のところ、ここ数日ブログを更新しなかったのは、なんだか脱力してしまってどうにも書く気になれずにいたからだ。

それというのも、麻生太郎があまりに馬鹿で、漢字もまともに読めないとか、政局よりも政策優先だといいながら結局は選挙に勝てるかどうかの政局しか頭にないために解散総選挙を先送りにしていることがあまりに露骨で嫌になってきたとか、あるいは定額給付金の無駄加減が日毎に明らかになってくるのに自公政権はいまだに白々しく経済効果があると言っているのにウンザリしてしまったりといったことが重なっているためである。

ほんとにどうにかならんものかね、この政治の閉塞した状況を打開するには。

しかしその一方で、政局に目が行きがちな私の関心をぐいっと引っ張るような出来事があったのも事実で、これについてはもっと早くに書いておきたかった。
それは何かと言えば、元経団連の会長でトヨタ自動車相談役の奥田碩が12日、首相官邸で行われた「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」の席上、テレビの年金報道などについて「厚労省たたきは異常な話。マスコミに報復してやろうか(と思う)。スポンサーを降りるとか」などと発言した一件である。
奥田碩

日本の財界トップといえば経団連会長の御手洗富士夫と今はなっているけれど、トヨタの会長職にある奥田はいまだに隠然たる力を持っており、その発言は政界だけでなくマスコミにも影響力があることは周知の通りだ。
さすがにこの日の「スポンサーを降りる」という発言には同席した委員から「言い過ぎだ」と言われたようだが、奥田は冗談でその場を盛り上げようと言ったわけではなく本気でそう考えている。
実際、この報道があった後、テレビ局などには政府批判や年金問題追及の報道を自粛しようという動きが出てきているという。
テレビ局にとってトヨタは最大のお得意様だから、そのトップが脅しをかけてくれば抵抗できるはずもない。今や日本の報道に気骨を求めるのは虚しいばかりとなっており、スポンサーとは無縁のはずのNHKでさえもが自民党総裁選のときには自ら「自民党のコマーシャル」として7時のニュースを提供している。
そして自民党のスポンサーといえば経団連なのだから、奥田発言は日本の政府・マスコミに大きな影響を与えたと言っていいだろう。

奥田碩が苛ついているのは、むろんアメリカ発の金融危機と急激な円高のためにトヨタの営業利益が70%以上も下方修正しなければならなくなったという経済的事情が働いているのだろう。
たしかに1兆6000億円もあった利益が6000億円まで減ったのだから、これまで儲かって仕方がなかった経営者としては面白いはずがない。

かねがねトヨタのクルマなど買わない、キヤノンのカメラも買わないと決めている私から見れば、たまに痛い目を見るのはいい気味だという気分がある。

けれども、1兆6000億の利益が6000億に目減りしようとも、奥田の懐などは決して痛まないようにできているのが今の社会だ。
大企業の利益が減って、いちばん痛い目に合うのはやはり労働者であり、そのなかでも下請け業者や不安定な立場に立つ非正規雇用者なのだと思うと、一度は盛り上がった私の気分も一気に萎んでしまう。すでにトヨタは、今回の金融危機を受けて期間雇用者の半数をカットすることに決めている。ということは派遣社員などはもっと大規模な首切りをするに違いない。
下請けに出す注文を絞り、値段を叩き、首を切りやすい労働者を切り捨てることで目減りした1兆円の穴埋めをしようとしている。

今日の朝日新聞には「下請けいじめ」倍増「切られては困る……抗議できず」という記事が出ている。記事のタイトルだけ見れば、中身は読まなくても分かるような内容で、企業のトップに立つトヨタが非道なことをして自社の利益を守ろうとしているのだから、後に続く日本の企業はこぞってその真似をするのは当然と言えば当然である。

記事では
「生産業者の下請けとして生コンを運ぶ日雇い運転手の賃金は1日1万円。これでは家庭は営めない。切られては困るから抗議もできず、絶望が広がっている」
という話や、
近畿のミキサー車運転手ら約1700人が参加する労働組合「連帯ユニオン関西地区生コン支部」の幹部は話す。建設業の不振で「ゼネコンから注文を受ける生産業者も1立方メートルあたり1300円はあったマージンを100円に削られた例もある。暴動が起きかねない状況だ」。
という話が紹介されているが、まったくこのままでは暴動が起きてもおかしくはない。
企業からすれば倒産するわけにはいかないのだから仕方がない処置なのだという理屈なのだろうが、こうした下請けなど弱い立場に立つ者をいじめる体質があるかぎり日本で希望を持って生きることは難しい。

自民党と公明党は国民一人あたり1万2000円から2万円も配れば幸福になれると思い込んでいるようだが、とんでもない話で、今の日本では本気になって貧困をなくすための政治的取り組みなしには絶望が広がるばかりだ。
はした金をばらまいて一時凌ぎと選挙戦略に役立てようとする政府と、弱い立場に立つ労働者を徹底的にいじめ抜き、必要とあればマスコミに脅しをかけて自己の利益を守ろうとする企業にこの国は牛耳られている。
麻生太郎はリーダーシップなど期待できないアホのボンボンだが、こんな男を責め立てるよりも、われわれにもっと必要とされるのは奥田碩をはじめとする財界を責めることなのではないか。

考えてみれば95年に当時の日経連が「新時代の日本的経営」を発表し、雇用を一握りのエリートと専門職、そしていつでもクビを切ることができるその他大勢の3種に分けたことが13年後の今になって国民を大きく苦しめる元凶となっている。大資本にとってはこれほど都合のいい機能を持った提言はなかっただろうが、財界のこの発想こそは日本人を地獄に突き落とすものだった。

政治を監視し、ふがいない為政者を責めることは必要だ。
しかし、われわれがもっとも警戒し、厳しい目を向けて見る必要があるのは政治をも操る力を持つ財界の金持ちどもだ。
奥田碩、御手洗富士夫、それに続く経営トップたち。
日本経済を牽引すると言われる者どもに、国民を地獄に突き落とすような真似をさせてはならないと、強く思う。

関連タグ : 奥田碩, 財界, 経団連,

社会保障費の財源に消費税を充てたいと考えているのは自民党だが、それを強力に後押しする形で経団連が2011年度までに消費税を5%引き上げるよう提言した。つまり3年後には消費税を10%にしろというのだ。
少子高齢化が進めば社会保障費がかさむのは誰だって分かることだが、その財源としてなぜ消費税を充てなければならないのか。
そこのところを誰か明快に教えてくれないものだろうか。

健康保険料や介護保険料を支払っているのに、なぜ、国民はさらに消費税という形で自分たちの財布を傷めながら保障を維持しなければならないのか。
社会保障は、社会的弱者や貧しい人ほど切実に必要とするものである。それなのに自民党や経団連は、そうした人々からも金を徴収しなければ、制度が維持できないと言っている。
それは本当なのか。

経団連といえば、今の会長はキヤノン出身の御手洗冨士夫で、その前の会長はトヨタ自動車の奥田碩だった。どちらも日本の優良企業のトップで、輸出でがっぽり儲けて日本経済を支えてきたと言われているが、国からは税制的に思い切り優遇され、さらに政府に働きかけて優遇の度合いをどんどん増してきた企業のトップである。
その一方で労働者に対しては派遣労働者など非正規雇用者をフル活用し、できる限り金を出さないようにすることを是としてきた経営者たちだ。
彼らにしてみれば、企業が儲ける金は次に儲けを生み出すために使うものであり、労働者や国民に還元するものではあり得ない。だから、どんなに儲かっていても社会保障費などは国民が自分で賄うべきで、その金が足りないならば当然消費税を充てるべきだと考えるのだろう。

要するにどんなことがあっても自分の懐が痛むようなことはしたくないのだ。

しかし、国民の側からすれば社会保障費をさんざん削られた上に、ダメ押しするように消費税まで取られるというのは二重三重の搾取にあっているようなものではないか。
自民党や経団連の金持ち連中は汲々として日本の富を自分たちの手元に集めてきたというのに。

社会保障費が不足するというのならばまず、富が集まったところから出すようにするのが筋というものではないか。これまでさんざん美味しい思いをしてきた税制を改めて大企業に金を出させるのが第一だ。
さらに、格差社会の中で一握りの人間に集中してきた富を再分配する制度にすることも必要だ。つまり課税を累進制に戻すことだ。
金持ち連中は、そんなことをしたら働くのがバカらしくなると文句を言うが、それ以前に収入がどんどん目減りし、物価ばかり上がり、さらに困った時には誰も助けてくれない社会に生かされている多くの国民の方が、こんな社会で生活するのはバカらしいと思っているのだ。このバカらしさを痛み分けしてもらいたいものだ。

消費税を10%に上げたい経団連は、増税する代わりに年収500万円以下の世帯には一世帯あたり10万円程度の定額減税を実施、そのうえ食料品などは税率を現行の5%に据え置くことを主張している。
ありがたくて涙が出そうな配慮だが、「同情するなら金をくれ!」である。

これからの社会は、新自由主義によって甘い汁を吸ってきた連中から、獲りすぎた分を取り戻す社会にならなければならない。
なにも共産社会になれというのではない。必要となれば皆で応分の負担をすることにやぶさかではないが、負担をするにはそれを納得できるだけの理由と態度を政府にも財界にも示してもらわなければ困るというのだ。

麻生太郎はいま、できるだけ解散を先に引き延ばし、自分たち、つまり自民党や経団連の金持ち連中に都合のいい政策をどんどん可決し、実施に持ち込もうとしているように見える。
そんなことは断じて許さず、自民党や経団連の虫のいい考えにNOをつきつけ、政権交代を実現させることが日本にとっては最重要課題だ。政府与党と野党が睨み合い、実質的に政治の空白状態を続けるよりも、民主党を中心とした野党勢力による政権奪取を実現させる。新自由主義社会に替わって社会民主主義の社会にする。
これを今後も訴え続けていきたいと思う。



関連タグ : 経団連, 消費税, 自民党, , 社会民主主義,

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。