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酒好き、映画好き、本好き、落語好き、バイク好き、そして鬱。 ちょっとばかり辛い日もあるけれど、フンニャロメ~と生きてます。
◎心にとめおく言葉
●人は、自分が見たいと思うものしか見ようとしない――ユリウス・カエサル
●為政者たるものは憎まれることはあっても、軽蔑されることだけはあってはならない。(塩野七生)
●自分に当てはめられない基準を他人に当てはめるべきではない
――ノーム・チョムスキー
●さまざまな知識人、文化人、政党やメディアは一般の人々よりも右よりな立場を取る――ノーム・チョムスキー
●考えろ、考えろ、考えろ!――ジョン・マクレーン

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昨日の夜、NHKで「激論2009 世界はどこへ そして日本は」というスペシャル番組をやっていた。

前日の夜中、つまり元日の夜中にはテレビ朝日が「朝まで生テレビ」で「崖っぷちニッポン 脱・貧困ドーする?! 経済・雇用危機」を放送していたが、例によって出演する国会議員ら(大村秀章、高木陽介、それに哲学者の小川仁志)のマナーが悪く、人の話を遮って自説を押し通す悪癖の応酬が続いて辟易させられた。せっかく湯浅誠や河添誠らの話が聞けると思っていたのに、司会の田原総一朗はあまり話をさせようとせず、社会保障と雇用のセーフティネットが必要だという一応の結論点まで達したところで「しかし、昔の日本には倫理観というものがあって、働かないのは恥ずかしいことだという気持ちを持ったものだ」と言い出してそれまでの議論をひっくり返して見せたのには苦笑せざるを得なかった。

田原総一朗の耄碌ぶりが目についた。彼はもはや、人の話について行くこともできなくなっている。それでいて、社会保障の財源はまず金持ちから税金として徴収すべきだという話が出ると、高額所得者であろう田原はムキになって「そんなことではこの問題は絶対に解決しないんだよ」と言うあたりがいかにも醜く、田原のゼニへの執着をうかがわせていた。

どう見ても品が悪かった「朝まで生テレビ」に比べると、NHKの番組は「新春ガチンコトーク」などと銘打っているわりには皆、お行儀がよく、それはそれで物足りなさを感じないわけにはいかなかった。
出演したのは小泉改革を推し進めてきた最大の戦犯、竹中平蔵と八代尚宏、岡本行夫、社会民主主義的立場を取る側から金子勝、山口二郎、斎藤貴男。そして政治的にはどっちつかずの立場を取る勝間和代。

私としては竹中平蔵金子勝、山口二郎らがどれだけまともにぶつかり合うのかが楽しみだったのだが、番組自体が2時間の中に「経済問題」と「外交問題」「グローバル化」という3つの柱を設けているためにいずれも話が深まることがなく、欲求不満が残る内容になってしまったのが残念だった。

しかし見ていて思ったのは、竹中平蔵の饒舌ぶりだ。
金子勝が最初に「ブッシュ=小泉型改革からの脱却」を挙げ、市場原理主義にもとづくこれまでの改革が結局は破綻して現在の経済危機が起こったのを、まず反省することが必要だと言ったのに対して、竹中平蔵は例によってヘラヘラした顔で、現象に対してすぐに「原理主義」などというレッテルを貼るのは悪い癖だと茶化し、今見舞われている金融危機なども自分が唱えている改革が中途半端な形で止まってしまった結果なのだと主張、金子の言うように原因を探って犯人捜しをするような真似をするよりもこれからどうするかを考えることの方が重要だと切って返す。
竹中は自分に都合の悪い部分は巧妙に「そこは直すべき部分だ」と言い逃れながら、これまでの反省などは微塵も見せる様子がない。

番組全体がこのような調子で、金子や山口が格差をなくし国民が安心して暮らせるような社会を作る必要があると訴えれば、竹中と八代はそのためにこそ改革がさらに推し進めなければならないという論調でやり返す。その連続だった。
見ていると、考えながら話をする金子勝とやや訥弁な山口二郎に対して竹中はペラペラとよくしゃべるので、どうしても優勢なのは竹中側に思えてくるのがもどかしい。

派遣切りがある一方で、企業には空前とも言うべき社内留保があるという問題についてもそうで、金子はこうした事実を反省する必要があると言うと、竹中は非正規雇用は正規雇用を厚く待遇しすぎてきた結果出てきた制度であり、改革のシステムが悪いというのは間違いだと言い返す。
これにはさすがに、斎藤貴男がむっとした口調で「構造改革が理想として求めてきた形の結果がこの事態であり、そう言う主張をするのは狡いのではないか」とやり返す場面もあった。
わずかでも溜飲が下がったのはこの部分くらいだった。

とにかく竹中はヘラヘラペラペラ良く喋る。
金子勝があらためて市場原理主義の弊害を言うと「まだあんなこと言ってる」と小声で司会者に囁く。
竹中は積極的にマスコミに顔を出してきたが、その経験はこうしたチャチャの入れ方にも役立っているのだろう。
そうして人を舐めた態度を取っておきながら「これから必要なのは法人税をさらに引き下げることだ」という自説だけは言うことを忘れない。これに対してNHKは、金子には「そんなのは反対ですよ」とつぶやく機会しか与えなかった。
全体に中立を装いながら、NHKは巧妙に竹中組の肩を持っていた印象が拭えない。
番組が終わってみると、竹中が言ったサッチャーの言葉の引用だけが妙に印象に残るのだ。
「金持ちを貧乏にしても貧乏人が金持ちになるわけではない」
そして竹中は「必要なのは貧困を救うことなのです」とつけ加えた。

しかし竹中の言うことはもっともなように聞こえながら欺瞞に満ちている。
なぜなら、税制というものは社会全体が持ちつ持たれつの関係を築きながらよりよいものにしていくことを目的にしているのだから、大きく儲けている企業や富裕層からはその分多く徴収するのは当然の話である。竹中や八代は法人税を引き下げれなければ優良企業はみな海外に逃げ出すと脅すが、優れた技術力、人材、治安などの面で日本はまだまだ海外に劣っているとは考えにくい。
おそらく金子勝にしても山口二郎にしても、竹中に対してはもっと言ってやりたいことがあったはずだが、NHKは時間を仕切ることでそれを避けていた。結果として竹中らの主張の方が現実的で理に適っているかのような印象を与えてしまっている。

今年はNHKの報道や番組製作の在り方にも注意していかなければならないと思わせた元日の番組であった。

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関連タグ : 田原総一朗, NHK, 竹中平蔵, 金子勝,

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