上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
酒好き、映画好き、本好き、落語好き、バイク好き、そして鬱。 ちょっとばかり辛い日もあるけれど、フンニャロメ~と生きてます。
◎心にとめおく言葉
●人は、自分が見たいと思うものしか見ようとしない――ユリウス・カエサル
●為政者たるものは憎まれることはあっても、軽蔑されることだけはあってはならない。(塩野七生)
●自分に当てはめられない基準を他人に当てはめるべきではない
――ノーム・チョムスキー
●さまざまな知識人、文化人、政党やメディアは一般の人々よりも右よりな立場を取る――ノーム・チョムスキー
●考えろ、考えろ、考えろ!――ジョン・マクレーン

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ずいぶん更新が滞ってしまった。
今年の夏は、格別に暑く、私もさすがに参ってしまったのだ。
その上、政治的には民主党の代表選があったが、菅直人も小沢一郎も支持する気になれず、民主党政権そのものに呆れてしまったことから、一連のドタバタ劇も白けてみていた。
だからリスタートとなる今日は、政治を離れてドラマの感想を書こうと思う。


WOWOWで、7月から毎週日曜日に放送されていたドラマシリーズ「ザ・パシフィック」が、いよいよ今夜最終回を迎える。

最初に断っておくと、このドラマはたいそうな金と最新の技術を使って作られているが、人間の描き方には物足りないものがある。
それでも太平洋戦争という地獄の釜の中に放り込まれた若者たちの群像劇として見れば、彼らにとって戦争とは何だったのかと考えさせられるところはある。
私は、アメリカ人から見た太平洋戦争がどんなものだったのか、彼らは日本人と闘って何を感じたのかが少しでも分かればと思って10回の放送を見ることにした。

ここで描かれるのも、勇ましいヒーローが誕生する舞台などではない。兵士一人ひとりが生きるか死ぬかという絶えざる緊張の中で怯え、ジャングルの熱気、いつ止むとも知れない雨、蚊が媒介するマラリアに苦しみ、気が狂ったり自殺したりする者が続出する地獄で、いかに生き抜いていったかを、おそらく事実に忠実に再現していると思う。

「ジャップはつり眼の猿だ。皆殺しにしてやる」

そう言って船に乗り込み、最前線に送り込まれた海兵隊の新兵たち。
彼らにとって戦争に志願し、日本軍をやっつけることは名誉であり、憧れでもある。
しかし最初の数日間の戦闘で心身ともにボロボロになり、遙か遠くのアメリカが恋しくなる。
この辺は日本人の兵士も同じようなものだろうが、日本兵の場合は徴兵された者が多かっただろうし、アメリカ人をやっつけるよりは天皇のために美しく散ることを命じられていたのだから悲惨である。

けれどもそんな事情を知らないアメリカ兵にとっては、密林の中から際限なく飛び出し、バンザイ突撃を仕掛けてくる日本兵は恐怖でしかない。
「奴らは勇敢なのか、それとも狂っているのか」
こうしたつぶやきは、彼らの本音だろう。

圧倒的な兵力と火力をもって進軍しているアメリカ軍の兵士だが、最前線の死にものぐるいの中では少しも優位は感じられない。
アメリカ軍の「優位」を見るのは、日本人兵士の死体から金歯を抜いたり、まるごしで逃げる民間人を撃ち殺したり、子どもも撃ってしまう残虐行為だ。
さすがに子どもを殺したときには撃った兵士が責められるが、彼はへらへら笑いながら言う。
「だって俺たちはジャップを一人残らず殺すために来たんじゃないか」

沖縄に上陸したアメリカ軍は、こうして人々を殺していったのか。
沖縄を占領した後、後から来た兵士が広島のことを伝える。
「新型爆弾を広島に落とした。町ごと吹っ飛んで、たくさんのジャップが死んだらしい」
「いったいどんな爆弾なんだ?」
「さあね、でもこれで戦争が早く終わる」

言うまでもないが、このドラマを通して戦争に対するアメリカの反省を見ることは難しい。
もちろん、戦争の悲惨さや戦場体験が与える心の痛手のようなものは描かれるが、彼らにとっては今も、日本人は「つり眼の猿」で、死ぬことも厭わない狂った人種なのだろう。

アメリカはその後もベトナム戦争で大きな犠牲を払ったが、この戦争の矛盾を描いたドキュメンタリー「ハーツ・アンド・マインズ」で、軍の司令官だったかが言っていた言葉が忘れられない。
「東洋人にとって、命はわれわれよりも価値が低いのだ」
当時、私は高校生だったが、この言葉には「何を!」と憤った。

その後もアメリカはイラクやアフガンに侵攻し、今も戦争を続けているが、おそらく彼らの考えは60年以上変わっていないのではないだろうか。
もしかすると、アメリカ人が戦争による本当の痛みを知り、警察国家などという思い上がりをなくすためには、アメリカ国内で戦争をするしかないのかもしれない。

「ザ・パシフィック」。そんなこんなを思いながら、最終回を見ようと思う。

《追記》
奇しくも「ハーツ・アンド・マインズ」が東京で公開されたようだ。
今もやっているのかは分からないが、機会があればぜひ。
私がテレビで見たときは、たしか残虐なシーンがあるというので白黒放送だったと思う。
今、それと思われるシーンがようつべでも見られるが、正直、私はさほど残虐とは思えなかった。
それは私自身が暴力に慣れ、汚れたものを見過ぎてしまったからなのだろうか。

スポンサーサイト

関連タグ : アメリカ, 戦争,

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。